ドイツ正規留学の手引き 2017年版

 

ドイツ留学研究会は2016年から日本人のドイツ大学現役生や卒業生からインタビューやアンケートを通じてドイツ入学までの情報収集を行った。これからドイツ進学を目指す方への少しでも手助けとなるなら幸いである。ドイツ大学に正規留学(進学)する人が少ない中、調査に協力してくださった方たちに今一度感謝の意を表します。Uni-assistの利用方法や送付方法はUni-assistのウェブサイトに丁寧に説明されているので割愛する。

また、ここで紹介する方法は必ずドイツ大学に入学できることを保証したものではない。

2018年版のドイツ正規留学の手引き

ドイツ大学進学の目的を明確にする

最初に伝えておきたい事は”ドイツの大学生活は厳しい”という事である。『海外の大学生活は楽しそうだから』『異文化交流してみたい』であれば無難に日本の大学からの交換留学やサマースクールで十分である。ドイツ大学の学士カリキュラムは3年となっているが3年で卒業できる学生はほんの一握りである。5,6年で卒業も普通ということを理解してもらいたい。最終学年も日本の大学と同じように就活を行うのは難しいといったデメリットも留学前にしっかり確認してほしい。そのため、最初に”なぜドイツで学ぶのか”を決めることは一般の留学同様非常に重要になる。

出発前の語学力について

ドイツ入学の計画を立てる前にB1〜B2あることが望ましい。例外を除いて出発前にB1ある人と全くない人では語学学校に行ってからの伸びが異なる。語学力がA1〜A2では長く見積もって入学までに2年かかると計算してほしい。逆に出発前までにB1程度あるのであれば1年程度で多くの人は合格している。厳しいようではあるが、語学能力がない正規留学チャレンジはリスクが大きい。
ドイツ進学を考えている人はなんとか日本でまずドイツに触れてもらいたい。以下で紹介している勉強法はインタビューや合格者レポートなどの意見を参考にして作成したドイツ語学習の勉強法であるので参考にしてもらいたい。

ドイツ語A1合格の勉強法
ドイツ語A2合格の勉強法
ドイツ語B1合格の勉強法
ドイツ語B2合格の勉強法

ドイツ留学までの計画書作成

ドイツ正規留学の計画書の出来は大学入学成功に大きく影響する。特に高校、短大や高専を卒業してすぐにドイツ進学を目指す方は周りの支援で正規留学に挑戦できるので、しっかりと計画書やプレゼンを行って理解を得てもらいたい。

プレゼンや計画書内容は以下である。

・入学までの流れ(約12ヶ月分)
・入学までに何が達成すべき事(TestDaF,DSHなど)
・ドイツ語試験に合わせた語学学校選び
・住居の選定
・何月にTestDaFやDSHを受験するか
・ドイツ留学保険の選定
入学までに必要な金額について
・月々の生活費
・語学学校費etc
・月々の生活費の説明
・ドイツ大学入学不可時のの予備計画
・緊急連絡先・住所など

上記の中からいくつかを説明する。

・ドイツ語試験に合わせた語学学校選び

最初に注意すべきことは語学学校代が安いという理由だけで決めないことである。実際大学付属語学学校やゲーテなどドイツ進学を目標としている語学学校に通っていた方の多くがドイツ大学入学に至っている。これは授業の質もさることながら周りも同じ目的意識を持っている人が多くなるからだ。またDSH準備コースに関して大学間で試験構成や内容に差があるため、できるだけ入学を希望する大学の準備コースに通うことを勧める。

厳しいようだがVHS(Volks hoch schule)などの語学学校では喋ることができれば、それで良いという方がほとんどである。残念ながらDSHやTestDaFは喋れるだけではまず受からない。

大学入学に至るまでに勧めている流れはゲーテなど高額ではあるが最初に住居手配の代行が可能な語学学校に通い。3ヶ月を目安に国立の語学学校に切り替える方法である。ここでの3ヶ月は国立語学学校の入学試験準備や住民登録・銀行口座開設またドイツ生活にある程度慣れるための期間として考えている。多くの大学付属語学学校は住居の手配をしてくれないので一度、高額ではあるがゲーテなどで仲介してもらうことで、最初の生活がスムーズに進む。

VHS(市営語学学校)のメリットとデメリット

・住居を決める

大学入学を考える人で出発前に重要となるのが住居手配である。これは先ほど紹介した語学学校の仲介が良いと考えるが、日本にもいながら探す事はできる。しかし日本からドイツの住居探しをすることは膨大な時間やお金を必要とするだけでなく十中八九トラブルが起こる。またWGやアパートの仲介詐欺に引っかかるリスクもあるのでくれぐれも注意してほしい。

例外として短期留学の時に滞在していたホストファミリーの家に宿泊などもあるがこれは高校でAFS・YFUなどを通して交換留学していた学生に限られる。

ドイツで家を探すときの便利サイト

・ドイツ留学用保険の選定

ドイツ大学入学まで半年から数年の間語学学校に通いながらDSH、TestDaF合格を目指す場合ドイツの保険に入る必要がある。保険内容は各々のWebサイトを見てもらえれば詳細を確認できるのでいかにURLを添付する。

語学学校用保険紹介

・必要書類の準備

必要書類は高校生か大学生、短大生とで準備するものが異なる。また出願のために卒業証書がどうしても必要になるので入学許可証を手にできるのは卒業以降になる。
必要書類は以下のページで詳しく紹介している。

ドイツ大学入学必要書類

・ドイツ大学入学不可時の予備計画

ここを考える事は非常に重要である。どうしても語学試験に合格できない場合は留学計画にはある程度見切りをつける勇気も必要である。計画書には是非自分で留学期限を決めてほしい。特に高専生や短大生であれば日本の大学に編入する事も視野に入れることを勧める。工学部であれば編入試験に英語でなくドイツ語を選ぶことができる大学がある。

・計画書の見直し

完成した計画書は多くの人に見てもらい、特に進路指導の先生や両親にはしっかりと理解を得てもらってほしい。

出発前に関して

出発荷物の準備について

到着後の行動必須事項

・在留届、銀行口座開設、ビザ申請、住民登録

在留届の提出や住民登録、ビザ申請、銀行口座の開設は次のページから紹介する

住民登録、ビザ申請、銀行口座開設について
在留届提出について

・BahnCardの購入について検討する

今後、大学見学や学用書類の承認、DSH・TestDaFのためにDB(Deutsch Bahn)鉄道で遠出することが考えられる。事前にBahnCardを購入しておくこで交通費用を抑えることができるので是非検討してもらいたい。BahnCardについて以下のページで紹介する。

BahnCardの購入について

・願書作成

願書作成はなるべくドイツ語の勉強と並行して進めよう。大学入学のためのドイツ語試験に合格していなくても条件付きの入学許可証がもらえる場合があるのでドイツ語試験に合格していない場合でも送ることを勧める。

願書作成は大学に大きく分けて大学に直接出願する場合とUni assistに送付する2種類がある。またUni-assistを通す通さないでは願書受付期限が違うため事前に調べてもらいたい。また大学によっては一般学生と外国人学生では願書受付の期限も異なる場合がある。大学に送付する必要書類は大学の学科別で指定されているため、大学のInternational officeもしくは入学希望学科の募集要項から直接確認してもらいたい。出願フォームも同様に大学のInternational Officeや学部の出願項目からダウンロードできる。

出願に関して以下の大学は他の大学と比較して若干異なる

・ベルリン工科大学の大学入学許可通知は比較的遅い。
・ブラウンシュバイク工科大学は審査料に50ユーロかかる分、合格発表が早い。特にUni-assistではDSH2に達していない場合無条件に不合格通知を送ってくるが、ブラウンシュバイク工科大学では条件付き合格として入学許可書を発行してもらえる。他の工科大学の滑り止めとして活用できる。

・Uni-assistを通さないバイエルン州の大学に関してはその他一般の大学入学基準と違う事が場合がある。国立高専卒の学生は2016年段階で入学許可はもらえていない。ただしUlm大学はUni-assist経由なので例外とする。

*バイエルン州にてUni-assistを通さない大学
ミュンヘン工科大学(一部の学部を除く)
エアランゲン大学など

Uni-assistや大学に送付する書類は公的機関の承認が必要になる、以下のページで同封書類について詳しく説明しているので参考にしてもらいたい。

提出書類の公的認証(Beglaubigung)について

Motivation作成

学部によって願書にMotivationの作成を求められることがある。そのため早めに願書と一緒に送付する書類について大学webサイトやUni-assistから確認してもらいたい。作成については別途説明しているので参照してもらいたい。

Motivationの書き方

引っ越し準備

私立語学学校から大学付属語学学校に移る場合、私立学校から仲介された住居から引っ越さなければならない。ドイツは都市によって引っ越しの難易度にばらつきがある。特にミュンヘンなど大きな都市になるほど引っ越しは難しい。引っ越しを予定している場合はできるだけ早く家探すよう心がけてほしい。

一番効率的であるのがWG-Gesuchtに登録することである。登録すれば向こうから連絡が来るのを待つだけになるので、自分で探す手間を大幅に省ける。WG-gesucht登録については次のURLにまとめる。

WG-Gesuchtの使い方

WG-Gesucht以外の家探しサイト

入学許可受け取り後

見事入学許可をもらえれば一安心である。希望の大学から入学許可をもらえたのであれば早めに学生寮のとVorkurs(入学準備コース)の申し込みを済ませよう。学生寮に関しては早ければ早い方が良い。9月になると学生寮の待ち人数が多い時で1000人を超える。また入学準備コースには是非参加する事を勧める、ここでは大学新学期で必要になる基礎課程の学習が行われるからだ。またクラスも学科別で割り当てられるためクラスメイトとの交流も深められる。

1ゼメスター目まずは乗り越えましょう

ドイツ語試験合格おめでとうございます。ドイツに1年住んでいると、大学入学には成功したけど卒業できずに退学してしまったという人に出会うでしょう。ここではドイツ大学入学後、無事に最初の試験に合格する方法を紹介しています。

1ゼメスター目を乗り越える

最後に

以上の内容は2016年のインタビューやアンケートを元に作成したドイツ進学研究会が現時点で最適と想定しているドイツ入学までの手順である。入学までの手順に関して2017年に関して大きな変化はないと予想されるが、入学に関しての情報は各々必ず行ってもらいたい。