ドイツ正規留学の手引き【2018年版】

ドイツ留学研究会は2016年から継続して日本人のドイツ大学現役生や卒業生からインタビューやアンケートを通じてドイツ入学までの情報収集を行ってった。これからドイツの大学へ正規留学をを目指す方への少しでも手助けとなるなら幸いである。ドイツ大学に正規留学する方が少ない中、調査に協力してくださった方たちに今一度感謝の意を表します。

※Uni-assistの利用方法や送付方法はUni-assistのウェブサイトに丁寧に説明されているので割愛する。

ドイツ正規留学の目的を明確にする

最初に伝えておきたい事はドイツの大学生活は厳しいという事である。『海外の大学生活は楽しそうだから』『異文化交流してみたい』であれば無難に日本の大学からの交換留学やサマースクールで十分である。ドイツ大学の学士カリキュラムは3年となっているが3年で卒業できる学生はほんの一握りであり、学部によっては卒業率が50%そしてストレートの卒業率が5%程度と極めて低い数値である。そのため大学カリキュラムが3年であっても卒業まで4,5年かかる事や最悪退学になるというリスクは理解してもらいたい。また日本の大学生と同じように就活を行うのは難しいといったデメリットも留学前にしっかり確認してほしい。そのため、最初に【なぜドイツで学ぶのか】を決めることは一般の留学よりも非常に重要になる。

ドイツ留学研究会が推奨する出発前の語学力について

ほとんどのドイツ正規留学を希望する日本人はドイツ大学に入学する前に大学付属ないしはゲーテ・インスティテュートのような私立語学学校に入学する。ドイツ留学インタビューなどの超さで、出発からドイツ大学入学に半年から10カ月を目標とする場合、ドイツ留学出発前のドイツ語レベルはB1からB2(独検2級から準1級)あることが望ましい。
例外を除いて出発前にB1を有す受験者とない受験者では語学の伸びが異なるため、出発前にぜひドイツ語の基礎を固めてほしい。ドイツ留学研究会では語学力がA1〜A2の受験者がドイツ正規留学までかかる日数は少なくとも2年と予想している。逆に出発前まにB1以上の受験者のほとんどは1年程度でDSH試験もしくはTestDaF試験に合格している。
厳しいようではあるが、語学能力がない正規留学チャレンジはリスクが大きい。
以下で紹介している勉強法はインタビューや合格者レポートなどの意見を参考にして作成したドイツ語学習の勉強法であるので参考にしてもらいたい。

ドイツ正規留学までの計画書作成

ドイツ正規留学の計画書の出来は大学正規留学成功に大きく影響する。
特に高校、短大や高専を卒業してすぐにドイツ正規留学を目指す方は、周りの支援で正規留学に挑戦できるので指導教官や両親にしっかりと計画書やプレゼンを行って理解を得てもらいたい。

ドイツ正規留学の計画書内容

  • 入学までの流れ(約10~12ヶ月分)

    出発から何か月目にドイツの大学に入学しているかを決め、それに応じて大学ごとの願書提出期限そしてDSHやTestDaFなど入学までに達成すべき事を月ごとに細かく決めていく。
    大学によって入学許可通知時期や入学に関する基準が州で若干異なる場合がある。ここ数年でドイツ留学研究会で日本人から調査して大学別特色は以下の通りであり、決して多くはないので是非願書を提出する大学の選考に役立ててほしい。

    LMU、ニュルンベルク大学、ミュンヘン工科大学などのバイエルン州内の大学ではUni-assistを通さないで独自に州で審査される場合があるため注意してもらいたい。2016年段階では国立高専卒の卒業証明書では入学許可証を貰えなかった。大きな理由としてはセンター試験を受験していない事があげられたため、高専在学中にセンター試験に合格していれば十分合格は見込める。
    
    ただしUlm大学など複数の大学ではUni-assist採用しているためLMUやミュンヘン工科大学などの入学基準は当てはまらないと考えられる。ここ数年の調査ではベルリン工科大学、ベルリン自由大学、ベルリンフンボルト大学の大学入学許可通知は他州の入学許可証返信通知予定日近くに入学通知書が送られてくる。簡単に説明すれば例としてハイデルベルク大学から入学許可通知が8月15日に送られてきたとして、その入学通知に対する同意を多くの大学では9月15日に行わなくてはいけないが、ベルリン内の大学では入学許可通知がその9月15日ごろに送られてくる。そのためいくつか願書を出してベルリンを本命としている場合、非常に面倒となるので注意してもらいたい。
    
    ブラウンシュバイク工科大学は審査料に50ユーロかかるが、願書受付の時期と入学許可証の通知が早い。特にUni-assistではDSH2に達していない場合無条件に不合格通知を送ってくることが過去にあったが、ブラウンシュバイク工科大学では条件付き合格として入学許可書を発行してもらえる。条件付きとは何らかの入学条件が欠けているが入学後数カ月以内にその条件を満たした場合入学を認めるというものである。そのため工科大学希望の学生は滑り止めとしてブラウンシュバイク工科大学に願書を送付することを進める。

 

  • DSH・TestDaF合格に向けたドイツ語学学校選び

    最初に注意すべきことは語学学校代が安いという理由だけで決めないことである。実際大学付属語学学校やゲーテなどドイツ進学を目標としている語学学校に通っていた方の多くがドイツ大学入学に至っている。これは授業の質もさることながら周りも同じ目的意識を持っている人が多くなるほか、DSH準備コースに関して大学間で試験構成や内容に差があるため、できるだけ入学を希望する大学の準備コースに通うことを勧める。厳しいようだがVHS(Volks hoch schule)などの語学学校生は喋る事を第一目標としているためDSH・TestDaF向きではない。

    ドイツ留学研究会で推薦するドイツ語語学学校の選定方法:まずゲーテなど高額ではあるが最初に住居手配の代行が可能な語学学校に通い。2ヶ月から3カ月を目途に大学付属の語学学校に切り替える方法である。とくにゲーテ・インスティテュートなどの私立語学学校ではビザの申請から住民登録、銀行口座開設の手続きの助言を行ってくれるため、初めてドイツに来る受験生にはありがたい。ここが私立語学学校の利点でもあり、多くの大学付属語学学校は住居の手配をしてくれないので、一度高額ではあるがゲーテなどで仲介してもらうことで最初の生活が問題なく進む。

    ある程度ドイツ語能力があり、過去に留学の経験があるのであれば、直接大学付属語学学校を進める。特にミュンヘン大学付属語学学校やライプツィヒ大学付属語学学校(Inter DaF)は過去に何人も日本人大学生を輩出している。詳しい語学学校についてはここでの説明を割愛する。

 

  • ドイツの住居選定

    ドイツ正規留学を予定している者で出発前に重要となるのが住居手配である。ドイツ留学研究会では先ほど紹介した語学学校の仲介が良いと考えるが、ウェブサイトや斡旋業者から紹介してもらう方法もあるのでいくつか紹介しておく。
    ・ユーロエステート
    ・WG-Gesucht
    ・MixB
    これらのサイトでは日本に居ながら住居探しが可能であるが、膨大な時間やお金を必要とするだけでなくトラブルが起こりやすいこともある。
    またWGやアパートの仲介詐欺に引っかかるリスクもあるのでくれぐれも注意してほしい。詳しいウェブサイトの紹介は以下から行う。ドイツで家を探すときの便利サイト

 

  • 入学に必要な書類の準備

    必要書類は高校生か大学生、短大生とで準備するものが異なり、出願のために卒業証書がどうしても必要になるので入学許可証を手にできるのは卒業以降になる。
    必要書類は以下のページで詳しく紹介するので、ここでの紹介は割愛する。ドイツ留学研究会では毎年必要書類について合格者から確認を取っているが、必要書類は大学別に異なる、そのため紹介するものはあくまで一つの目安として考えてもらいたい。
    ドイツ大学入学必要書類

 

  • ドイツ留学保険の選定

    ドイツ大学入学までの期間、ドイツの保険に入る必要がある。保険は空港で加入できるような旅行保険とは異なるため、出発前に十分注意してもらいたい。
    2017年までではステップイン保険もしくはCare Conceptに加入していれば安全であろう。保険内容の詳細は各々のWebサイトを見てもらえれば詳細を確認できるのでいかにURLを添付する。
    語学学校用保険紹介

 

  • 月々の生活費や語学学校費など

    留学費用の見積もりは生活費、語学学校費用そして家賃がほとんどを占め、それに加え出発時の飛行機代などがある。事前に調べることでおおよそ留学に必要な予算を知ることがる。ドイツイツ留学研究会の予算計算では渡独後、語学学校に入学し大学入学後卒業するまでのおおよそ4年間に必要な経費は350万と試算している。これは4年間と比較してもかなり安い。
    入学までに必要な金額について
  • ドイツ大学入学不可時のの予備計画

    ここを考える事は非常に重要である。どうしても語学試験に合格できない場合は留学計画にはある程度見切りをつける勇気も必要である。計画書には是非自分で留学期限を決めてほしい。工学部であれば編入試験に英語でなくドイツ語を選ぶことができる大学があるなど、特に高専生や短大生であれば日本の大学に編入する事も視野に入れることを正規留学の計画を立てることができる。

 

  • 緊急連絡先・住所など

    留学期間中何らかのトラブルに遭遇することは一度はある、そのため緊急連絡先については事前に両親としっかり情報交換してもらいたい。

ドイツ正規留学出発前に関して

 

  • ここでは渡独前について説明する。基本的に正規留学であっても他の交換留学生と準備は変わらないが、大使館で財政証明書だけは必ず取得してほしい。この財政証明書はドイツで語学ビザを取得するために必ずと言って良いほど必要になってくる。もし取得していなかった場合、ドイツで開設した銀行口座に一定の金額(100万円程度)を入金しておく必要がある。

    出発荷物の準備について

    一般的にドイツ留学に必要な荷物

ドイツ到着後

  • 在留届・住民登録・ビザ申請・銀行口座開設在留届の提出や住民登録、ビザ申請、銀行口座の開設はこの4点はドイツに到着後、正規留学希望者の有無にかかわらず行わなくてはならない。在留届提出の有無は直接ビザ取得に影響するものではないが、ウェブサイトから行えるので必ずしおいてほしい。そのため、渡独後最初にすべきことは住民登録、ビザ申請そして銀行口座開設を優先的に行うことを勧める。
    住民登録、ビザ申請、銀行口座開設について
    在留届提出について

 

  • BahnCardの購入について検討
    今後、大学見学や学用書類の承認、DSH・TestDaFのためにDB(Deutsch Bahn)鉄道やバスで遠出することが考えられる。事前にBahnCardを購入しておくこで交通費用を抑えることができるので是非検討してもらいたい。BahnCardについて以下のページで紹介する。
    BahnCardの購入について

 

  • ドイツ出願用願書作成願書作成はなるべくドイツ語の勉強と並行して進めよう。大学入学のためのドイツ語試験に合格していなくても条件付きの入学許可証がもらえる場合があるのでドイツ語試験に合格していない場合でも送ることを勧める。願書作成は大学に大きく分けて大学に直接出願する場合とUni assistに送付する2種類がある。またUni-assistを通す通さないでは願書受付期限が違うため事前に調べてもらいたい。また大学によっては一般学生と外国人学生では願書受付の期限も異なる場合がある。大学に送付する必要書類は大学の学科別で指定されているため、大学のInternational officeもしくは入学希望学科の募集要項から直接確認してもらいたい。出願フォームも同様に大学のInternational Officeや学部の出願項目からダウンロードできる。出願に関して以下の大学は他の大学と比較して若干異なる
     ここ数年の調査ではベルリン工科大学、ベルリン自由大学、ベルリンフンボルト大学の大学入学許可通知は比較的遅くに合格証が発行される。ブラウンシュバイク工科大学は審査料に50ユーロかかる分、合格発表が早い。特にUni-assistではDSH2に達していない場合無条件に不合格通知を送ってくるが、ブラウンシュバイク工科大学では条件付き合格として入学許可書を発行してもらえる。他の工科大学の滑り止めとして活用できる。

    Uni-assistや大学に送付する書類は公的機関の承認が必要になる、以下のページで同封書類について詳しく説明しているので参考にしてもらいたい。
    提出書類の公的認証(Beglaubigung)について

 

  • 願書に同封する志望動機(Motivation)の作成学部によって願書にMotivationの作成を求められることがある。そのため早めに願書と一緒に送付する書類について大学webサイトやUni-assistから確認してもらいたい。作成については別途説明しているので参照してもらいたい。志望動機(Motivation)の書き方

 

  • 引っ越し準備私立語学学校から大学付属語学学校に移る場合、私立学校から仲介された住居から引っ越さなければならない。ドイツは都市によって引っ越しの難易度にばらつきがある。特にミュンヘンなど大きな都市になるほど引っ越しは難しい。引っ越しを予定している場合はできるだけ早く家探すよう心がけてほしい。一番効率的であるのがWG-Gesuchtに登録することである。登録すれば向こうから連絡が来るのを待つだけになるので、自分で探す手間を大幅に省ける。WG-gesucht登録については次のURLにまとめる。WG-Gesuchtの使い方
    WG-Gesucht以外の家探しサイト

入学許可受け取り後

見事入学許可をもらえれば一安心である。希望の大学から入学許可をもらえたのであれば早めに学生寮のとVorkurs(入学準備コース)の申し込みを済ませよう。9月になると学生寮の待ち人数が多い時で1000人を超える学生寮の申し込みに関して早ければ早い方が良い。また時間に余裕がある場合、是非入学準備コースには是非参加する事を勧める、ここでは大学新学期で必要になる基礎課程の学習が行われるからだ。またクラスも学科別で割り当てられるためクラスメイトとの交流も深められ、勉強のチームも組みやすいだろう。
※ドイツの工科大学では入学後各自課題のためのチームを組む必要がある。

1ゼメスター目をしっかり乗り越える

ドイツ人に限らず日本人でもドイツ大学に見事正規留学を果たしても卒業出来ずに退学してしまう。そのため、最初のゼメスター(学期)を頑張って乗り越えてほしい。学士(Bachelor)の場合、毎日の勉強時間の1日6~7時間を目安に勉学に励んでもらいたい。特に理系の場合であれば高校卒業程度の数学や物理ができれば最初の学期の試験に関してはそこまでレベルが高くないため万全の準備をして試験に臨んでもらいたい。
以下でドイツ大学入学後、無事に最初のゼメスター試験に合格する方法を紹介する。

1ゼメスター目を乗り越える

最後に

以上の内容は2016年から2017年のインタビューやアンケートを元に作成したドイツ留学研究会が現時点で最適と想定しているドイツ入学までの手順である。
入学までの手順に関して2017年に関して大きな変化はないと予想されるが、各自大学の公式ウェブサイトやUni-Assistから逐次入学に関しての情報は各々必ず行ってもらいたい。

参考:https://tobitate-german.com/wegzustudium
参考:DAAD Tokyo
参考:正規留学の手引【2017年】

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