旧東ドイツのドレスデンに住む私が移住前に知りたかった事【ドイツ語、求職状況、生活費などなど】

毎月の生活費、東と西の違い、日系企業の求人 東ドイツに住むメリットやデメリットなどなど

実際にドレスデンに住んでみて

旧市街を臨むエルベ川岸辺の様子
旧市街を臨むエルベ川岸辺の様子 写真提供:minamo

そもそもドレスデンってどんな街?

ドレスデンはエルベ川が流れ、芸術が盛んな美しい都市です。現在ザクセン州の州都ですが、200年以上昔にザクセン王国が成立した際には王国の首都でした。

近代では第二次世界大戦時1945年に絨毯爆撃を受けて壊滅した歴史があり、当時5日間に渡って燃え続けたドレスデンは死者25000人を出したと言われています。

人々に愛されていた数々の歴史ある建造物はその後徐々に再建され、現在ドレスデンで戦争を記憶するシンボルとして有名なフラウエン教会も2005年にその姿が蘇りました。

こちらの動画では第二次世界大戦での崩壊から現在の復興までがわかりやすく紹介されているので、是非参考にしてみてください。

人口は約55万人で、近隣の都市ライプツィヒと同じくらいの人数が居住しています。外国人の割合は7.4%で、その中でも日本人は約280人とかなり少ないです。街を歩いていても日本人には滅多に遭遇しません。

首都ベルリンに住む日本人は2019年現在4400人、ドイツ全体ではおよそ45800人が生活していることと比較してもドレスデンは日本人にはマイナーな都市だと言えるでしょう。

フラウエン教会から眺めるエルベ川
フラウエン教会から眺めるエルベ川 写真提供:minamo

クリスマス菓子のシュトレンはドレスデンが発祥と言われ、夏が終わると売り出され、スーパーやパン屋さん、そしてバイナハツマルクト(クリスマスマーケット)で買うことができます。

そのクリスマスマーケットもドレスデンの歴史は古く、近郊のバウツェンが最古だと言われていますが、最近までどちらがより古いか論争があったほど。ドイツ人にもドレスデンのクリスマスマーケットは人気が高く、期間中は200万人もの人が訪れます。

中世を模したクリスマスマーケット
中世を模したクリスマスマーケット 写真提供:minamo

ドレスデンの日本人人口は少ないですが月に一度スタムティッシュ(飲み会)があるので、現地に来てから情報収集したい方は是非参加してみてください。

参考:3. Wiederaufbau der Dresdner Innenstadt ab 1945 – Aufgaben, Chancen, Leistungen, Fehlentscheidungen』
出典:Bevoelkerung_und_Haushalte_2017』
出典:Einwohnerinnen und Einwohner im Land Berlin am 30. Juni 2019』
出典:外務省「海外在留邦人人数調査統計」
出典:Die große Striezelmarkt-Bilanz 2019 – TAG24

「ドイツ」に対して抱いていた幻想と現実 住んでみて感じるドイツ東西間にまだ「壁」が存在するという事

昨年、語学学校に通っていた私は、先生からドレスデンにはユーロではなくマルク(旧ドイツ通貨)が使えるお店が存在するという話を聞きました。

そして、現実的に壁が崩壊した今でも人々の心の中に隔たりは残っており、西側に比べて劣っているというような感覚があるというのです。

夕暮れ時のドレスデン旧市街の様子
夕暮れ時のドレスデン旧市街の様子 写真提供:minamo

私は初めてのドイツ生活がドレスデンから始まったので、私のドイツ=ドレスデンであり、フランクフルトでもミュンヘンでもありませんでした。

そのため、初めてデュッセルドルフを訪れた際にはそのギャップに驚き、まるでドレスデンにある「ドイツ」の雰囲気とは違う、言うなれば外国にいるという感覚に襲われました。

西側は私にとっては英語圏、そして非常に商業的であるのに対し、10年ほどドレスデンに住んでいる夫いわく、ドレスデンではスーパーの品揃えが来た当時とほとんど変わらないのだとか。

私のドレスデンに住む人々の印象は自分が知らないものや食べたことがないものに対してあまり興味を示さず、自分にとって安心・安全なものを好みます。

そうなると確かに新しいものは売れませんよね。

一方デュッセルドルフには外国の文化が溢れ、人々は外国人に寛容で英語を話すことに抵抗がありません。しかも、街にはアジア系や南米料理など様々なレストランが存在し、食のバリエーションも豊富です。

西側は英語圏かと勘違いするほどインターナショナル、そして経済が活性的です。

歴史的にベトナムやトルコからの移民が多いので、ドレスデンにもシーシャ(水タバコ)バーやベトナム料理のお店はいくつか営業していますが、本格的な日本食レストランやラーメン屋さんは数えるほどしかありません。

2019年10月にオープンしたラーメン屋「1974」ではドレスデンでは数少ない本格ラーメンが食べられる
2019年10月にオープンしたラーメン屋「1974」ではドレスデンでは数少ない本格ラーメンが食べられる 写真提供:minamo

公立の語学学校に申し込んで通った校舎
公立の語学学校に申し込んで通った校舎 写真提供:minamo

私はドレスデンで生活していると難民を含め、移民に対してドイツ語を話すようにプレッシャーを感じるときがあります。公立の語学学校へ1ヶ月通っていた際に驚いたのはクラスの半分以上が無料で授業を受けていたことでした。

これ自体はドレスデンに限ったことではなく、難民に対して自治体はそのようにドイツ語の授業を提供しています。

しかし、やはりそれは生活に必要であるからであって、自治体からの公文書を含め公共料金やクレジットカードの請求書など様々な郵便物は全てドイツ語で書かれているためドイツ語を理解することは生きていく上で欠かせません。

デュッセルドルフでは困っていると英語で話しかけてくれる人が普通にいて本当に驚きました。

そして、同じ東側でもベルリンに住む友人は、ドイツ人にドイツ語で頑張って話そうとすると優しく聞いてくれる、と言っていましたが、ドレスデンでは顔にシワを寄せたり、指で机を小刻みにタップしながら聞いてくれます(笑)

私だけかもしれませんが、ドイツ語のレベル=知的レベルといったイメージで判断されている気がするときもあって勝手に悔しい思いをしています。

ただ、たまにすごく優しかったり丁寧にしてくれるドイツ人もいて、そんな対応をされたときはひたすらに感激します。

東と西ドイツの格差がわかりやすく紹介されているので、こちらも是非参考にしてみてください。

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次のページでは東ドイツに住むメリットから私の休日の過ごし方、また日系企業への就労について紹介していきます。



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