住民登録・滞在許可・閉鎖口座開設・公的健康保険加入など大学が始まるまでに行った各種手続きについて 20/21WS

皆さんこんにちは、白くまです。ドイツの大学院では、EU圏外から出願した学生の場合、早ければ学期開始の半年前に合格発表が行われます。学部生の場合、大学が始まる2,3カ月前の発表になるでしょうか。交換留学ともなると、大学によって募集期間がそれぞれ異なると思います。

ともあれこのページを読んでくださっているという事は、何かしらの形でドイツに留学に来られるということでしょう。同じドイツで学ぶ仲間としてとても嬉しいです。

合格通知書を手にした次は出発前の準備や現地での行政手続きが沢山あります。

前回の記事では2020年にドイツへ出発した私の日本国内で行った手続きや準備について解説しました。

今回はドイツに到着してから行う入学までに必要不可欠な手続きについて、Stuttgart (Baden-Württemberg州) での経験をもとに解説していきます!

※情報は執筆時点 (2021/05/27) のものです。それぞれの手続内容は今後変更される可能性があるので、申請の際はドイツ大使館や会社ホームページの情報も必ずご参照ください。

主な手続き一覧

ドイツ到着後は学生ビザの申請や口座の開設など、いくつもの手続きを行っていきます。従来は銀行や保険の事務所に直接訪問する必要がありましたが、オンライン化が進んだことで住民登録と学生ビザの申請以外はネット上で完結します! (州によってはこれらもオンライン化してます。) 書類や手続きの説明は基本的に英語で書かれているので、ドイツ語が出来なくても問題ありません。

私がドイツ到着後に行った手続きは以下の通りです。

行政での手続き

  • 住民登録の申請
  • 滞在許可 (学生ビザ) の申請

個人的な手続き

  • 閉鎖口座の開設
  • 普通口座の開設
  • 健康保険の契約
  • 学生登録
  • SIMカードの契約

行政での手続き

住民登録の申請

住民登録の申請 (ドイツ語: Anmeldung)

この申請は入居後2週間以内に行わなければなりません。日本と同様に、引越し先の地域を管轄する住民局 (Bürgerbüro) で登録を行います。どの住民局が管轄しているかはBürgerbüroのウェブサイトで確認できます。必要な書類は以下の通りです。

  1. 申請書類 (Anmeldung bei der Meldebehörde)
  2. 家主の確認書 (Wohnungsgeberbestätigung)
  3. パスポート

※記入書類は全てドイツ語

申請書類と家主の確認書は住民局の受付、もしくはウェブサイトで入手できます。

申請手順

  1. 書類を入手し、必要事項を記入します (記入例は図を参照)。
  2. 申請日を予約します。Covid-19対策で執筆時点 (2021/05/24) では完全予約制になっており、事前に電話もしくはメールで予約する必要がありました *1。
  3. 住民局で書類を提出します。書類の確認の際に国籍、大学名、専攻など、いくつか質問されます。
  4. 書類に不備がなければ、住民登録証明書がその場で発行されます (もしくは後日郵送)。この書類はビザの申請に必要なので厳重に保管します。

*1 Stuttgart「Bürgerbüros」 https://www.stuttgart.de/service/buergerbueros/buergerbueros.php (2021/05/24閲覧)

家主の確認書の記入項目の和訳/提供:しろくま

滞在許可 (学生ビザ) の申請

最も重要な手続きです。この申請の前には住民登録から閉鎖口座の開設、保険の契約など一通りの手続きを終えなければならなりません。また、ビザの申請は入国から90日以内と制限時間がありますが、他の手続きが順調に進めば期限内に余裕を持って完了できます。申請は外国人局(Ausländerbehörde) で行います。

必要な書類は以下の通りです。

  1. ビザの申込書類 (Anrag auf Erteilung einer Aufenthaltserlaubnis)
  2. 住民登録証明書
  3. パスポート
  4. 証明写真 (タテヨコ45mm×35mm, 写真の規定)
  5. 入学許可証
  6. 保険書類
  7. 閉鎖口座の証明書
  8. 直近3ヶ月分の銀行の利用明細 *1
  9. ビザ発行手数料 60 ~ 100€

*1 ドイツの普通口座での利用明細です。申請時点で3ヶ月に満たない場合、それまでの月の明細を提出します。

ビザの書類は外国人局、もしくは都市のウェブサイトで入手できます。ウェブサイトの検索欄にAufenthaltstitel (滞在許可) と入力すれば専用のページが出てきますので、そこで書類をダウンロードします。シュトゥットガルトの場合はこちらのページです。

また、ビザの申請の際には保険と閉鎖口座に契約していることを証明しなければなりません。その際使用する書類は会社からメールもしくは郵送で届きます。詳しくはそれぞれの項目で解説します。

申請手順

  1. 申請日を予約します。申請の少ない時期でも1ヶ月以上待つことになりますので、他の手続きの目処が立ち次第すぐに予約します。予約は電話もしくはメールで可能です。
  2. 外国人局で書類を提出します。書類の確認の際に国籍、滞在の目的、目の色などが質問されます。書類が不備なく記入されていれば15分ほどで完了します。
  3. ビザの申請を行ったことの証明書 (仮ビザ, A4 1枚) が発行されます。この証明書はビザと同じ効力を持ち、学生登録や閉鎖口座のアクティベートに使用できます。
  4. ドイツでのビザはeAT (電子滞在許可証) という形で発行されます。申請から8週間以上かかります。

申請の際は必ずドイツ連邦共和国大使館・総領事館の情報を確認してください。

ドイツ連邦共和国大使館・総領事館「日本国籍を有する方の長期滞在許可に関するご案内」

個人的な手続き

閉鎖口座の開設

ビザを申請する際には滞在中の学費、生活費、帰国費用等が担保されていることを証明しなければなりません。奨学金を受けている場合は、その証明書を提出します。奨学金がない場合、閉鎖口座という特別な銀行口座を開設して一定以上の金額を預けておく必要があります。

この口座は入金後、自由に引き出すことは出来ません。その代わり、毎月同じ額が普通口座に送金されます。お金は取り上げられるのではなく、一旦預けておくという形です。

閉鎖口座には滞在する月数×861を入金します。契約は1年ごとに更新されるので、まずは1年分を入金します。

1年分の金額: 12ヶ月×861 = 10,332 (1,290,000, 1=125円の場合)

さらに、口座開設費、口座維持費、アカウントバッファーが追加されます。

とても大きな金額を扱うので、送金のサービスは入念に選ぶ必要があります。筆者の場合、送金手数料が低く、換金レートも良いWISE (: TransferWise) というサービスを使っています。どれぐらいお得かと言いますと、ゆうちょ銀行での海外送金サービスと比較して、25,000円以上も安くなります!

【10,332€送金する場合】 (2021/03/09の場合)

Transferwise

  • レート 129.04 円/€
  • 送金手数料 4,386+4,117円

※送金は1日に100万円までしか出来ないので、5,332€と5,000€に分割して送金します。

合計1,341,691

ゆうちょ銀行

  • レートは131.75円/€
  • 送金手数料 3,000+3,000円

※送金は1日に100万円までしか出来ないので、5,332€と5,000€に分割して送金します。

合計1,367,241

差額25,550

また、Wiseは市場のレートがすぐ反映されるので、送金のタイミング次第では3万円以上お得になります。一度送金の手続きが進めれば、48時間以内は同じレートで送金できるのもポイントです。

詳しい使い方はドイツ留学ラボの別の記事で解説していますので、そちらをご参照ください!

閉鎖口座は様々な銀行が取り扱っています。ドイツ連邦の外務省が推奨する銀行は以下の通りです。

  • Deutsche Bank
  • Expatrio
  • Coracle
  • Fintiba
  • BAM

ドイツ銀行など一般的な銀行の場合、現地でしか申請できない上に開設に2週間以上かかります。また、学生という理由だけで断られることも少なくありません。

一方、オンライン銀行であれば日本にいる間でも開設でき、断られることは経験上ほとんどありません。さらに手続きが非常に簡単ですし、口座開設費や維持費も低く抑えられるのでオススメです。

Expatrioと Coracle、Fintabaはオンラインで開設することができ、申請や手続きも比較的簡単です。いずれもセキュリティやサービスが高く、どれを選んでも問題ないと思います。

Expatrio

  • ドイツ銀行の子会社が運営
  • 日本人留学生の間で人気が高いので、解説するブログが多い
  • パスポートのみで登録可能
  • 口座開設費が安い

口座開設費:49, 口座維持費:5/

Fintiba

  • ドイツ留学サポートセンターおすすめの銀行で、開設方法が詳しく説明されている
  • パスポートのみで登録可能
  • 口座開設費がやや高い

口座開設費:89, 口座維持費:4.9/

筆者は口座開設費が安く、開設手続きの説明が充実していたExpatrioを選びました。メールでのサポートも手厚く、ビザの申請の際のサポートもして頂けましたのも好ポイントです。

そして、一通り手続きが完了すると06 Blocked Amount Confirmationという書類が発行されます。この書類を学生ビザの申請の際に提出します。

Expatrioの開設手続きは別ページで詳しく解説しています。


普通口座の開設

普通口座は自由に引き出せる口座です。閉鎖口座からの毎月の振り込みは普通口座で受ける必要がありますし、生活費の管理のためにも開設がオススメです。

しかし、普通の銀行では学生ビザ、学生証、SCHUFA (信用調査) が必要で、時間も費用も掛かってしまいます。一方、オンライン銀行の場合パスポートだけで開設できます!さらに、開設手続きはウェブサイトで個人情報を入力し、ビデオ通話で担当者にパスポートを見せるだけです。

筆者の場合、N26という有名なオンライン銀行と契約しました。この銀行はドイツ銀行と提携しているので、ドイツ銀行のATMで3回まで無料で引き出すことが出来ます。さらに現地の生活に便利な デビットカード(Master Card) が無料で発行されます。これは口座に直結しているデビットカードなので、使いすぎる心配はありません。

そして、N26はアプリがとても便利です。使用した金額の記録だけでなく、他の口座への入金が無料かつ素早く出来ます。送金を自動化することもできるので、下宿先の家賃や光熱費の支払いにも便利です。

N26の開設手続きは別ページで詳しく解説しています。 

健康保険の契約

ドイツの健康保険は大きく分けて公的健康保険 (Gesetzliche Krankenkasse) と民間健康保険 (Private Krankenversicherung) の2種類があります。学生ビザを申請するには、このどちらかに必ず加入しなければなりません。また、30歳以下の学生の場合は公的健康保険にしか加入できません (例外あり)。

公的健康保険はAOK, DAK, KKHなどが有名です。費用もカバー内容もあまり変わらず、どれに加入しても問題ありません。筆者は大学内に事務所があったのでAOKを選びました。

手続きが完了すると、紙の会員証 (Mitgliedsbescheinigung) と学生登録用の書類 (meldung zur krankenversicherung der studenten) の2つが発行されます。紙の会員証はビザの申請の際に必要なので、無くさないようにしましょう (無くした場合は保険会社に連絡すれば発行して頂けます)。

また、保険に加入しておけば基本的な受診や治療は保険証を提示するだけで無料になります。詳しい保険の内容はそれぞれのウェブサイトを参照してください。

学生登録

学生ビザの申請が完了し、仮ビザが発行されたら学生登録を行います。筆者の通うUniversität Hohenheimの場合、以下の書類をスキャンして事務室にメールで送付します。

  1. パスポート
  2. 入学許可証
  3. 仮ビザ
  4. 健康保険の補償範囲の書類
  5. 学生登録用の保険の書類 (meldung zur krankenversicherung der studenten)
  6. 学費の入金を証明する書類 (Transferwiseの記録など)
  7. 語学力を証明する書類 (IELTS, TOEFLなど)

さらに、大学よっては卒業証明書や成績証明書の原本を持参する場合もあるので注意です。出国の前に学生登録の説明によく目を通しておきましょう。

SIMカードの契約

ドイツは日本よりも格安SIMが普及しており、毎月の携帯代をとても安く抑えることが出来ます。さらに、格安SIMはパスポートのみで申請できる上にすぐに発行されます。

私ははぁぜさん (Twitter, ブログ) が紹介していたwinSIMと契約しました。1ヶ月あたり8.99€ (約1,000円) で7GBも使用できるという破格の安さです!O2の電波を使用しているので通信速度が早く、日本のキャリアとほとんど変わりません。もちろんEU圏内ならどの国でも使用できる優れものです!また、2年縛りなしなので違約金なしでいつでも解約できます。

はぁぜさんがwinSIMについて書いたブログ:https://ryuugakujyoshi-de.com/winsim/

契約はとてもシンプルです。

  1. winSIMのホームページで料金プランを選択して、住所を入力します。※24ヶ月契約ではない場合19.99€の手数料が発生しますが、トータルで考えればとても安いです。
  2. SIMが到着したら、個人情報や支払い方法を入力し、パスポートをアプロードすれば契約完了です。
winSIMの料金プラン/出典:winSIMの公式サイトより

あとがき

入国後はいくつもの手続きが待ち構えています。時間的な問題や語学的な壁によって、なかなかうまく手続きが進まずストレスが溜まってしまうこともあるでしょう。

かくいう筆者も、留学まではずっと地元の名古屋に暮らしており、ドイツへの移住が人生で初めての引っ越しでした。こんな私でも、早めに手続きの事を調べたり、スケジュールを立てておくことで問題なく手続きを終えることが出来ました。皆さんも大学から合格通知が来たら、出来る限り早く手続きのプランを立ててみてください。

この記事が皆さんのドイツでの手続きの指針として役立ってくれることを願います。もし分からないことがありましたら、筆者のTwitterFacebookから気軽にご相談ください。

著者:白くま(note)/編集:井上誠志




2 件のコメント

  • ご自身でも書かれていらっしゃいますが「これは口座に直結しているデビットカード」ですので、クレジットカード (Master Card) ではなく、デビットカード(Master Card)です。不思議な表現になっているのでご指摘させていただきました。

    • ご指摘いただきありがとうございます。文章中の「さらに現地の生活に便利な クレジット(Master Card) が無料で発行されます。」の箇所をご指摘いただいたように「さらに現地の生活に便利な デビットカード(Master Card) が無料で発行されます。」に修正いたしました。

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