ドイツ留学体験談:留学して肌で感じた「ドイツ大学の厳しさと人生に正解なんてない事」

 13回目となるドイツ留学体験談、今回は東京理科大学からドイツ大学の経営学部に留学しているSumihaさんにお話を聞いてきました。

マルクス先生

「ドイツ留学までの道のり」から「大学生活の様子」、「ドイツで大学生活を送る事の厳しさ」そして「世界中の留学生から学んだ事」など、これからドイツ留学を目指す方に是非読んでみてほしい留学体験談じゃぞ!!

ドイツ留学のきっかけや留学までの道のり

 きっかけは、高校時代の米国旅行後の父の一言でした。「アメリカがとても楽しかったから将来アメリカに留学したい」と告げたところ、ドイツ出張経験のあった父に「ドイツはもっと素敵な国だよ」と返されたのです。

 

 その一言で、訪れた事すらないドイツ興味がわき、いろいろと調べて行くと東京理科大学とレーゲンスブルク工科大学がお互いに協定校である事がわかり、「これだ!」と思った私は大学2年生の時に私は大学の交換留学制度を使ってドイツに行こうと決意しました。

 

 しかし、留学条件であるTOEFLの基準点から10点不足していたため、私は2年次に本プログラムの二次選考で不合格となり夢だったドイツ留学への道が閉ざされてしまいました。

 

不合格通知を見た当時は泣きながら帰宅するほどの相当なショックだったのですが、その悔しさをバネに、ラストチャンスである3年次の選考でリベンジを決心しました。

 

 そのために、必要条件だったTOEFLや英会話の勉強に必死に取り組んだり、留学経験者である先輩の話を聞きに行ったりして、ドイツ留学という目標を諦めずに、半年間出来ることを全てやり尽くしました。

幸いその努力が実を結び、3年次前期にリベンジで合格し、現在ドイツで留学生活を送っています。

東京理科大学の交換留学制度とは?

この交換留学制度は毎年、学部1〜3年生の約1300人の中から二段階の学内選考を経て、計5人ほどがレーゲンスブルグ工科大学またはハノーファー大学の交換留学に、半年間もしくは1年間参加できるプログラムです。

レーゲンスブルク工科大学経営学部の授業や大学生活の様子

レーゲンスブルク工科大学にいる世界20カ国80人ほどの留学生とWürzburgにて

 ドイツ留学にきて大きく印象に残っている事は「双方向型の授業」、「グループワークに取り組む姿勢」そして「地獄のテスト期間」です。

双方向型の授業で生き生きと学ぶ

 まず授業の様子についてですが、私は本学経営学部の英語で開講されている授業を履修しています。ドイツ人の教授が英語で授業をしてくださっているのですが、はじめはドイツ訛りの英語を聞き取るのに苦労しました。

 

 どのクラスも30人ほどの履修者で、留学生が8割、ドイツ人正規学生が2割ほどの割合です。理科大に比べ、圧倒的少人数なので教授との距離が近く、授業に参加しやすい環境です。

理科大での授業は教授から学生に対して一方通行であることが多かったのですが、ドイツでの授業は双方向で、学生たちから質問が飛び交ったり、教授が投げかけた質問に対して学生が話題を広げていったりと、自分がクラスの一員として、生き生きと「学んでいる」と実感できます。

日本ではあまりできなかった、授業中の発言も、ドイツの授業中では惜しみなくできます。

とにかくガチ!ドイツ大学のグループワーク!

 次にグループワークなどの様子についてです。これまでにプレゼンテーション5回、グループワーク2回行ってきたのですが、ドイツ人学生や他ヨーロッパ諸国からの留学生の熱心さに驚きました。

 

 土日を削ったり、夜遅くまでカフェテリアで議論したりして、グループワークに取り組む学生を多く見かけたからです。

恐らく、ドイツの大学は卒業や定期試験が日本に比べ非常に難しいので、プレゼンテーションやグループワークなどといった、成績に関わるものは少しでも加点に繋げられるように、学生が身を削る思いで真剣に取り組むからだと思います。

これがドイツ地獄の試験期間!必要なのは1日8時間の勉強!!

最後に、定期試験に関してですが…

結論から言うと日本に比べて試験は難しいです…(笑)

 厳密にいえば、試験の難易度自体は日本より少しだけ難しい程度で、単位取得に値するボーダーラインが高いのだと思います。ちなみに私が受けた試験は記号・マーク・単語で答える形式の問題は一切なく、全問論述形式でした。

 

 それらに打ち勝つべく、私自身も受験生並みに勉強しました。大学の図書館は、平日朝7時から夜中の2時まで、休日も朝8時から夜の10時まで開館しているのですが、平日の昼間の図書館は常にほぼ満席です。

試験前は学生らが必死に勉強を始めるため、開館時間である早朝に図書館に到着しない限り、席の確保は難しいです。1月は試験に向けて、私も負けじと早朝から図書館に通い、朝早くから夜遅くまで図書館で1日8時間以上の勉強生活を送りました。

 

 1度も授業を欠席したことはなく、毎回の授業ではノートを取り、自分なりに授業についていく努力をしていたのですが、やはり試験前の勉強は、膨大な暗記量や全てが英語であることに苦労しました。

マルクス先生

これはレーゲンスブルク大学ではないがテスト期間は大量の学生が図書館に殺到するのじゃ!

 

ドイツ大学の学生寮や日常生活の思い出

レーゲンスブルク工科大学の学生寮はこんな感じ!

 私はキッチンとバスルーム付きの1人部屋の寮に滞在しています。大学までバスで6分(ドアtoドアで15分)、徒歩30秒ほどの距離にNettoという小さめのスーパーマケットもあり、好立地です。

 

 また、市街地へもバスで10分ほどなので、週末には散歩に出かけたり、市内を通っているドナウ川周辺で友人とピクニックをしたりもしています。家賃は月に約300ユーロなので、日本円で4万円弱です。キッチンやバスルームの共有部屋に住んでる他の留学生はこれより100ユーロほど安いと聞きました。

ドイツができないとこんなトラブルに巻き込まれることも…

 苦労したことは、ドイツ語です。ドイツ語は全くの初心者で、こちらに来てから週に6時間、大学で開講されている無料の初心者クラスで学び始めました。現在は、買い物での会話やレストランでの注文はできるようになり、そこまで苦労せず生活できる程度にはなりました。来たばかりの頃は、様々な場面でドイツ語が分からないことで苦労しました。

 

 3日間くらい寮の中にある共用のコインランドリーが見つけられず、洗濯ができずにいて困っていたときにたまたま見つけた寮の清掃員の方に覚えたてのドイツ語で

「Wo ist die Waschmaschine?(洗濯機はどこですか)」

と聞いたのまでは良かったのですが、笑顔で流暢なドイツ語で返答されて、全く聞き取れず結局在りかが分からなかったり、

 

 一人旅でRothenburg(ローテンブルク)に行きたかったのに、人口180人の小さな村であるRothenb”ü”rg(ローテンビュルク)に着いてしまい、往復6時間ただただ電車に揺られたり、寮の地下から第二次世界大戦の不発弾が見つかり、寮の住民にドイツ語で避難命令が出た際も、何が何だか分からないまま外出したりなど、数え切れません(笑)

買い物や、洗濯機を見つけることすらできない自分が情けなくて悲しかった記憶があります。

他の留学生から学んだ「人生に決まった正解なんてなかった」

 私の留学生活の場合、ドイツ人学生との関わりよりも、他国からの留学生たちと関わることの方が多かったので、彼ら影響が異文化理解として非常に大きかったです。

 

 スペイン、イタリア、フランス、アイルランド、パキスタン、韓国、ウクライナなど計20カ国を超える80人以上の世界各国からの留学生と友人になり、旅行などへも行くことを通して、世界には価値観が溢れていることや、日本における常識が、他国では非常識になることに驚きました。例として、時間感覚が全く異なることや、食事のマナー、将来への考え方の違い、などです。

 

 時間感覚に対して驚いたことは、時間を守るのはアジア人とドイツ人のみだということです。ある日、スペイン人の留学生の誕生日会があったのですが、20時の集合時間に対して19:45に着く私や韓国・台湾留学生に対して、

ドイツ人は19:55

アメリカ・フランス・コロンビアなどの学生は20:30!

イタリア・スペイン(誕生日、本人を含む)などの学生がやって来たのはなんと22時前!!

 

 これには流石に驚きを隠せませんでした。本人が来て全員が揃うまで、私やアジア・ドイツ人学生は2時間以上も待ったのです。早く来てた人の中には少々怒り気味の人もいました。

他にも、留学生向けのハロウィンパーティーに開始時間の21時に着いても、誰もおらず結局人が集まり出したのは23時だったり、60人ほどの留学生が参加した日帰り旅行の集合時間・朝7時に対し、半数以上が30分以上遅刻して来たりなど、そこまで時間を重要視していない感覚が見受けられました。

 

 私もそれらから学び、無駄に待つことの無いように時間丁度か、少し遅れるくらいの気持ちで支度をするようになり、急ぐことがなくなりました(笑)

 将来への考え方に関しても、多様な価値観に触れることができました。例えば、ドイツ人学生は大学時の専攻をそのまま就職に活かす人が多く見受けられ、社会学部の友人は社会学者になるために大学院に進むと言っていました。

 

 イタリアの友人は、大学院修了後「まだ働き始めたくない」という理由で24歳でドイツに留学に来たり、韓国の友人は、大学受験への過激な受験戦争の疲れから、「誰も自分を知らない地でゆっくりしたい」という理由でドイツに来て授業を1つしか履修せずヨーロッパ中を旅行したり、スペインの友人は小さな村落の出身だったことに不安を覚え「広い世界を見てみたい」という理由でドイツに来たりと、一概に「将来グローバルに働く上で必要な国際感覚を身につけるための留学」とは言えないと実感しました。

 

 私はこれまで、“小中高大、文系はストレートに就職、理系は院進、仕事、結婚、出産“などと言った所謂日本での一般的な人生の固定観念に捉われていたことに気づきました。

彼らのお陰で、人生に正解はなく、一度きりの人生をどう生きるかは自分次第だ、ということに気づけたとき、ふっと背負っていた重荷が消え、心が軽くなりました。

最後にこれからドイツ留学する日本人に一言

 ドイツ留学前にやっておいて良かったと強く思うことは、「留学経験者の失敗談を聞くこと」です。ドイツに限らず、言語や文化の異なる環境で暮らして来た人には失敗体験が付き物です。

 

 彼らがそれらの失敗をどう乗り越えたかをかき集めて、自分は同じ失敗をしないようにすると、より充実した留学生活になると思います。また、英語にしろ、ドイツ語にしろ、始めの段階は「いかに流暢に、文法的ミスなく話すか」ではなく、「いかに話しかける勇気があるか」が大切です。

 

 私は恥を捨てとにかく単語でも良いので誰彼構わず話しかける努力をした結果、世界中に友人を作ることが出来ました。留学の形に正解はないので、のびのびと自分なりの留学生活を送って頂けたらと思います。

そして、ドイツ留学を考えている皆さんには、箸と洋服を持ってくることを推奨します!

著者:Sumiha(instagram)/編集:井上誠志(twitter)



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