ドイツ留学体験談:留学して肌で感じた「ドイツ大学の厳しさと人生に正解なんてない事」

ドイツ大学の学生寮や日常生活の思い出

レーゲンスブルク工科大学の学生寮はこんな感じ!

 私はキッチンとバスルーム付きの1人部屋の寮に滞在しています。大学までバスで6分(ドアtoドアで15分)、徒歩30秒ほどの距離にNettoという小さめのスーパーマケットもあり、好立地です。

 

 また、市街地へもバスで10分ほどなので、週末には散歩に出かけたり、市内を通っているドナウ川周辺で友人とピクニックをしたりもしています。家賃は月に約300ユーロなので、日本円で4万円弱です。キッチンやバスルームの共有部屋に住んでる他の留学生はこれより100ユーロほど安いと聞きました。

ドイツができないとこんなトラブルに巻き込まれることも…

 苦労したことは、ドイツ語です。ドイツ語は全くの初心者で、こちらに来てから週に6時間、大学で開講されている無料の初心者クラスで学び始めました。現在は、買い物での会話やレストランでの注文はできるようになり、そこまで苦労せず生活できる程度にはなりました。来たばかりの頃は、様々な場面でドイツ語が分からないことで苦労しました。

 

 3日間くらい寮の中にある共用のコインランドリーが見つけられず、洗濯ができずにいて困っていたときにたまたま見つけた寮の清掃員の方に覚えたてのドイツ語で

「Wo ist die Waschmaschine?(洗濯機はどこですか)」

と聞いたのまでは良かったのですが、笑顔で流暢なドイツ語で返答されて、全く聞き取れず結局在りかが分からなかったり、

 

 一人旅でRothenburg(ローテンブルク)に行きたかったのに、人口180人の小さな村であるRothenb”ü”rg(ローテンビュルク)に着いてしまい、往復6時間ただただ電車に揺られたり、寮の地下から第二次世界大戦の不発弾が見つかり、寮の住民にドイツ語で避難命令が出た際も、何が何だか分からないまま外出したりなど、数え切れません(笑)

買い物や、洗濯機を見つけることすらできない自分が情けなくて悲しかった記憶があります。

他の留学生から学んだ「人生に決まった正解なんてなかった」

 私の留学生活の場合、ドイツ人学生との関わりよりも、他国からの留学生たちと関わることの方が多かったので、彼ら影響が異文化理解として非常に大きかったです。

 

 スペイン、イタリア、フランス、アイルランド、パキスタン、韓国、ウクライナなど計20カ国を超える80人以上の世界各国からの留学生と友人になり、旅行などへも行くことを通して、世界には価値観が溢れていることや、日本における常識が、他国では非常識になることに驚きました。例として、時間感覚が全く異なることや、食事のマナー、将来への考え方の違い、などです。

 

 時間感覚に対して驚いたことは、時間を守るのはアジア人とドイツ人のみだということです。ある日、スペイン人の留学生の誕生日会があったのですが、20時の集合時間に対して19:45に着く私や韓国・台湾留学生に対して、

ドイツ人は19:55

アメリカ・フランス・コロンビアなどの学生は20:30!

イタリア・スペイン(誕生日、本人を含む)などの学生がやって来たのはなんと22時前!!

 

 これには流石に驚きを隠せませんでした。本人が来て全員が揃うまで、私やアジア・ドイツ人学生は2時間以上も待ったのです。早く来てた人の中には少々怒り気味の人もいました。

他にも、留学生向けのハロウィンパーティーに開始時間の21時に着いても、誰もおらず結局人が集まり出したのは23時だったり、60人ほどの留学生が参加した日帰り旅行の集合時間・朝7時に対し、半数以上が30分以上遅刻して来たりなど、そこまで時間を重要視していない感覚が見受けられました。

 

 私もそれらから学び、無駄に待つことの無いように時間丁度か、少し遅れるくらいの気持ちで支度をするようになり、急ぐことがなくなりました(笑)

 将来への考え方に関しても、多様な価値観に触れることができました。例えば、ドイツ人学生は大学時の専攻をそのまま就職に活かす人が多く見受けられ、社会学部の友人は社会学者になるために大学院に進むと言っていました。

 

 イタリアの友人は、大学院修了後「まだ働き始めたくない」という理由で24歳でドイツに留学に来たり、韓国の友人は、大学受験への過激な受験戦争の疲れから、「誰も自分を知らない地でゆっくりしたい」という理由でドイツに来て授業を1つしか履修せずヨーロッパ中を旅行したり、スペインの友人は小さな村落の出身だったことに不安を覚え「広い世界を見てみたい」という理由でドイツに来たりと、一概に「将来グローバルに働く上で必要な国際感覚を身につけるための留学」とは言えないと実感しました。

 

 私はこれまで、“小中高大、文系はストレートに就職、理系は院進、仕事、結婚、出産“などと言った所謂日本での一般的な人生の固定観念に捉われていたことに気づきました。

彼らのお陰で、人生に正解はなく、一度きりの人生をどう生きるかは自分次第だ、ということに気づけたとき、ふっと背負っていた重荷が消え、心が軽くなりました。

最後にこれからドイツ留学する日本人に一言

 ドイツ留学前にやっておいて良かったと強く思うことは、「留学経験者の失敗談を聞くこと」です。ドイツに限らず、言語や文化の異なる環境で暮らして来た人には失敗体験が付き物です。

 

 彼らがそれらの失敗をどう乗り越えたかをかき集めて、自分は同じ失敗をしないようにすると、より充実した留学生活になると思います。また、英語にしろ、ドイツ語にしろ、始めの段階は「いかに流暢に、文法的ミスなく話すか」ではなく、「いかに話しかける勇気があるか」が大切です。

 

 私は恥を捨てとにかく単語でも良いので誰彼構わず話しかける努力をした結果、世界中に友人を作ることが出来ました。留学の形に正解はないので、のびのびと自分なりの留学生活を送って頂けたらと思います。

そして、ドイツ留学を考えている皆さんには、箸と洋服を持ってくることを推奨します!

著者:Sumiha(instagram)/編集:井上誠志(twitter)



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