「サッカー留学はプロになるだけじゃない!」ドイツ最西端の街で感じるプロ選手以外の可能性

皆さん初めまして、ドイツ最西端のアーヘンでアマチュア・サッカー選手としてプレーしている伊東莉那です!

現在、私が所属しているクラブはアレマニア・アーヘンといい、1900年に創立されたチームで男子チームは国内のポカール(カップ戦)で準優勝経験もあります。

ドイツに来て4か月、ようやく現地の生活やサッカー練習、語学学校に慣れて落ち着いてきました。

なので今回は、私のこれまでを少し振り返ってみようと思います。

 

突然ですが、皆さんは留学と言えば何を思い浮かべますか?

一般的には語学留学高校や大学からの交換留学、あとは現地の大学に入学する正規留学が中心だと思います。ドイツだと音楽留学も有名かな…

 

そんな留学の形も多くなってきた昨今、サッカーを学ぶために留学するサッカー留学について、まだまだ知らない人が多いのが現状です。

 

この記事ではドイツのアマチュア・リーグでプレーしている私が、ドイツに来るきかっけや語学学校、普段の生活の様子などなど

サッカー留学について今の私が伝えられる精一杯の事を紹介できればと思います。

 

私がアーヘンでアマチュア・サッカー選手になるまで

最初のきっかけは中学生の時に参加した千葉県女子選抜のドイツ遠征

千葉県女子選抜として7泊10日ドイツ遠征に行ったときの写真※みんな女子です。

幼少期時代からひたすらサッカーをしてきた私が、海外を意識する様になったのは中学生の時に参加したドイツ海外遠征でした。

 

中学生の時に住んでいた千葉県は、ドイツ西部にあるDüsseldorf(デュッセルドルフ)と姉妹都市の関係にあり、その関係で毎年に女子サッカーチームの短期交流を行われています。

そして、中学生の時に私も千葉県女子選抜として7泊10日ドイツに行く事になったのです。

 

初めての海外!とにかく、目に留まる物すべてがとても新鮮でした。

 

サッカーでは地元チームに混ざって練習や交流試合を行い、これがきっかけで「もっとドイツでプレーしたい!」と初めて思います。

 

ドイツ人はとにかく体格が強くガッチリしていて脚も速いしキックも物凄く飛ぶ。

私が最初に受けた印象としては「サッカーが巧い」ではなく「サッカーが強い!」でした。

 

ドイツチームとの練習試合ではかなりの点差をつけられ負けたのを覚えています。

もちろん「何も出来なかった….悔しい!」という気持ちもありました。

でもそれ以上に私のなかで「またドイツに来てプレーしたい!」というが感情が強かったと思います。

 

練習がない日には遠征先のデュッセルドルフからオランダにバスで観光したりと、生まれてから日本を出たことがなかった私にとって「飛行機に乗らず外国に行けるなんて!」と感動したのを覚えています。

一方、カルチャーショックという意味では「ドイツの公共のトイレでお金がかかる」にとても驚きました。(笑)

 

7泊10日の海外遠征は今振り返ると、短かったかもしれませんが、当時まだ中学生だった私にとって自分の視野や価値観を広げるには十分でした。

 

高校、大学そして派遣社員を経てアレマニア・アーヘンに所属するまで

中学生の頃までは、プロのサッカー選手になりたいと意気込んでいたものの、高校から大学に進むにつれ、少しづつ自分の実力ではプロになれないと自覚するようになります。

 

でも高校や大学進学はすべてサッカーで決めてきた私です。

 

なのでプロになれないと自覚してからも

「海外でも大好きなサッカーがしたい!サッカーに関わる仕事をしていきたい!」

この思いは強くなる一方でした。

 

大学在学中に一度「卒業したらドイツでサッカーをしよう!」と決心しますが、冷静になって調べてみると、ドイツ・サッカーの移籍期間は一般的に1月もしくは8月。。。

卒業が4月になる事を考えるとどうしても空白ができてしまいます。

 

何か手はないかと、必死になって大学を卒業後にプレーできるチームはないかと必死に調べたり、お世話になった関係者や友人に聞いてみたりした末、、、

なんと埼玉県にあるFC十文字Ventusがドイツ移籍市場が開くまでの半年間、受け入れてくれる事になりました。

 

ちなみにここFC十文字Ventusは今季プレナスチャレンジリーグで優勝し、来季からなでしこ2部が決まっているチームです。

私はここでチームの目標であるリーグ2部昇格を目標を一緒になって目指す傍ら、半年後ドイツに行っても活躍できるようにと、日々の練習に加えウエイトトレーニングなど自主練にも励みました。

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次にお金の事ですが、サッカー留学するにあたって渡航費やエージェント会社への支払いなどどうしてもお金が必要になります。

資金集めの為に学生時代は毎日アルバイト、大学卒業後は派遣社員として週5日フルタイムで働きました。

当時はドイツ語学の勉強も必要だと思い、大学のドイツ語授業を受講したり、卒業後は仕事の前に朝少し早く起きてひたすら単語学習をしたのを覚えています。

 

卒業して半年間は

朝早く起きてドイツ語→午後まで仕事→午後からサッカー

という生活の繰り返しでした。

 

ハードな生活ではありましたが、チームメイトやコーチ、ほかにも支えていただいた沢山の方のおかげで出発までの半年間濃い時間を過ごす事ができました。

 

そして、7月末ドイツへの出発の日、所属クラブとのお別れの日がやってきます。

アマチュア・サッカー選手として送るドイツでの生活 

2019年の7月末、東京から飛行機を乗り継ぎ無事にデュッセルドルフ空港に到着しました。

 

エージェントの方と落ち合い、アーヘン近くの街デューレンに2泊したのち3日にようやくアーヘンに到着しました。

 

地図で見てもらえるとわかりますが、本当にドイツの西の端っこです!ケルンやデュッセルドルフの主要都市よりもオランダやベルギーの方が近いんです!(笑)

ドイツについて3日目、兼ねてから練習に参加させてもらえるとなっていたAlemannia Aachen(アレマニア・アーヘン)の練習に合流をしました。

このチームはドイツのRegionalliga-West(レギオナル・リーガ・ウエスト)という女子サッカー3部リーグに所属しています。

 

到着して最初の約3週間はトップチームに残れるかもう一つ下のカテゴリーのチームに行くかのテスト期間として練習参加しました。

 

日本で長くサッカーをプレーした経験や卒業後も継続して練習できたおかげもあり、

無事にトップチームに残れる事になりました!

そして、8月末正式にドイツでのアマチュアサッカー選手としての生活がスタートします!

実際の試合はこんな様子です!

チームの練習は平日の週に3回19:00~21:00の2時間、そしてシーズンの間は毎週日曜日に試合があります。

 

よくある質問として

「ドイツでサッカーするくらいなんだからクラブからお金がでるの?」と聞かれるのですが、

 

はい、アマチュアなのでもちろんチームからお金は出ません。

 

その為、チームメイトも基本的に昼間は仕事をしており、私のチームには学校の先生、警察官、軍人、歯医者から学生もいます。

 

私もサッカーのほかに現在は週4日、現地のドイツ語学学校に通っています。

授業時間は10:45~12:15の1時間半ほどで、個人のスケジュールに合わせて語学学校の時間を決める事ができます。先生はドイツ人で、生徒はブラジル、モロッコ、ボスニアなど様々な国から来た人達でお互いの公用語や文化も違い、もちろん年齢もバラバラです。

 

授業や教科書も全てドイツ語で行われるので、最初ついていくのにかなり苦労しました。

A1(1番初歩のコース)だけど授業も教科書もドイツ語で決して簡単ではありませんでした…

私の場合、ある程度の生活費を稼ぐ必要があるので、サッカーが休みの日にアルバイトもしています。

 

ドイツに来て驚いたのですが、こっちのジムは入会金込みで年間210€(25000円)くらいで入会できるんです!

なので、ジムに入会してからは朝に軽く身体を動かす事が日課になっています。

 

お気に入りのパン屋さんのいつも頼むクッキーとミントティー

お気に入りのパン屋さんのいつも頼むクッキーとミントティー

土曜日など試合のない日には、近くのカフェに行ったり街の中心街に出て散歩したり、自炊したり。。。

自炊は基本時間がある時にスーパーに行き1週間分の作り置きをしています。

そんなこんなで、日本にいた時より時間に余裕がある生活を送っています。

日本にはない、ドイツでサッカーを学ぶ魅力

アーヘンの街中にある学生街

先ほど触れた様にチームの活動は週に4回あります。

日本にいる時は週6日練習をしていた上に平日は毎日仕事もしていたので寝る前にはすっかり疲労困憊という感じでした。

時には疲れから「今日は練習休みたい…」と思う時もありましたが、今はそう言った事もなく常に「サッカーがしたい!」という気持ちで練習に臨めています。

 

また日曜日に試合があると日本では土曜日に練習がないなんて事は絶対になかったのですが、ドイツでは「しっかり休め」と言った感じで練習はありません。

これにはすごく驚きました。

 

練習や試合では皆気持ちを前面に出して声を出したり、とにかくコンタクトプレーが激しく、イエローカードが出る事もしばしば…選手だけでなくコーチや監督が熱くなりすぎて審判から注意を受けたり、時にはカードが出る事も。。。

吹っ飛ばされることも日常なので、試合後はものすごい疲労感と身体の至る所にアザができています。

 

でもそれが「今日も思いっきりサッカーしたな。」と私が幸せを感じる瞬間でもあります。

勝った時にロッカールームで飲むビールは最高に美味しいです!

 

グランド設備も整っていて、日曜日には多くの会場でサッカーの試合が行われ、クラブの保有しているグランドにはカフェテリアが併設されサッカーをしていない人達もビールとポテトを手に自分の応援しているチームの試合観戦を楽しんでいます。

 

特に男子1部の試合ともなると席は超満員です!

熱狂的サポーターが多く、中には私達女子のアマチュアの試合でも応援に来てくれるサポーターもいます。ドイツの街にいると、地元単位でサッカーが文化として深く根付いるのが良くわかります。

まだドイツに来て4か月ですが、私はこの環境が本当に気に入ってます!

誤解されている「サッカー留学=プロになりたい」という訳じゃない

ここがアレマニア・アーヘンのホームスタジアムです!

大学の進路相談や半年間派遣社員として働いてた頃よく周りから

「今後はどうするのか?」

と聞かれ

「大学卒業後はドイツにサッカー留学に行きます!!」

と答えると帰ってくる言葉は

 

「海外でサッカーするの?プロ選手だね!」

「海外に行くなら、なでしこJAPAN入れるくらいの実力なんだね!応援してるよ!」

と本当に多くの人に言われました。

 

私はプロになりたいわけでもないし、そもそもなでしこJAPANに入れる実力もない…

自分がそこまで高いレベルの選手じゃない事は自分が1番分かっている。

 

そう言われる度に

「なでしこジャパンに入れる様なレベルのじゃないと海外に行ったらおかしいと思われるのかな。」

と思いながら

 

「頑張ります。。。。」

と曖昧な言葉でしか返事が出来ませんでした。

 

周りの友人や同級生達は就活しどんどん社会人に、一方私はお金を稼げず日本を離れサッカーをする。

 

一般的に考えたらこの歳になってお金も稼げないのに行く意味はないだろう。

そう思うのかもしれません。

 

「ドイツでサッカーがしたい」

「この気持ちだけで海外へ挑戦したらいけないのか?海外でプレーすることはプロになる実力者しか許されないないのか?」

と沢山の疑問が浮かびました。

 

「これが今の一般的な日本のサッカーに対する考え方なんだな。」と最後の方は半ばあきらめのような感情も自分の中であったと思います。

 

そんな質問を毎日のように効いていると、徐々に諦めというネガティブな感情から

「誰でも海外に挑戦できるんだという事を伝えたい。少しでも海外に興味がある人が挑戦しやすい環境を作りたい。」

そう考える様になりました。

 

こんな感じでまとめてしまうと「日本が嫌いなの?」と誤解があるかもしれないので、付け加えておくと

私は日本がとっても大好きです!

言葉も通じる、身近に友達や家族もいる、大好きな娯楽もある、和食も好きだし…他にも沢山あります!

 

それでも、私が大好きな日本を離れてまでドイツに来ているのは、サッカー以外にも沢山の事を学べるからです。

文化や現地の生活そして語学など日本では経験できなかった苦労や、今まで23年間の人生で知らなかった事がたくさんあります。

この環境を通して、自分の成長を感じる事ができています。

 

「身に染みてわかる」という言葉がある様に経験はお金に変えられない価値があると私は思います。

もちろん一般的な意見も大事かもしれません、でもまずは自分のやりたい事に素直になる事が大事だと私は思います。

 

確かに、アマチュアはバイトしながらサッカーもする生活なので大変ではあります。

もしプロとして生活できるのならばそれが一番なのかもしれません。

 

しかし、きっとプロになる以外にも監督からコーチ、審判、トレーナーやフロントなどサッカー留学が活かせる環境は沢山あるはずです。

最後に、これからドイツサッカー留学に挑戦する人へ 

試合の後、チームメイトと一緒に記念撮影

今回はアマチュアでも海外挑戦が出来るというお話をさせて頂きましたが、もちろんプロを目指す事も素晴らしいと思います。

 

留学前の準備として実際にサッカー留学経験のある方に話を聞くのが1番の近道です。

また留学エージェントの会社も様々なので最初から一つに絞るのではなく、Google検索やレビューなどで調べてみる事も大切です。

 

そして、私の場合もそうでしたが、サッカー留学で1番苦労したのは語学でした。

こっちに来て早く監督やチームメイトとコミュニケーションをとるためにも、1日30分でも良いので現地の言葉に触れる時間を作りましょう。

私の場合はリスニングと単語学習を重点的に行いました。サッカー中は辞書は使う事が出来ないので、ある程度の語彙力があると、多少の文法のミスがあっても何とか自分の意思を伝えられます。

 

自分自身もまだまだ道半ばです。

自分もゴールに一歩でも近づけるようこれからも頑張っていきます。

 

著者:伊東莉那/編集:井上誠志



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