ドイツ留学体験談 2019.08.02
2019.08.11
井上誠志
「花のドイツ留学」日本人の私がドイツでフローリストになるまで
ドイツでフローリストとして実感した私の中の変化や成長
働いているお店の様子/写真提供:ドイツ猫
お店のお花達/写真提供:ドイツ猫
花の作品に関しては、 今まで日本で働いていた時もドイツ風に自然を再現する事を意識し ていましたが、ドイツで働いてからはセンスの良い同僚の作品を見たり、花の展示会に参加して日本で見てきたものとは異なる作品に触れ、日々影響を受けています。
こっちで働くようになって、日本で持っていた何かを真似て制作するという意識から、 自分の感性を信じて制作してみよう! という方向に変わった気がします。
ドイツへ来る前は私も職業訓練をして花の基礎からしっかり 学びたいと考えていたのですが、 結果違った決断をした為に今は職場で働きながら同僚に、 訓練学校で何を学んだかを質問して取り入れるように心がけていま す。
これからフローリストになりたいという方には職業訓練(アウスビルドゥング) はとてもよくできた訓練制度なので、 ドイツ流の花束やアレンジメントをきちんと基本から理解する為に は強くお勧めします。花屋仲間の友人は昨年職業訓練を終わらせたばかりです が、いつも素晴らしい花束を組むのですごいなぁと尊敬します。
私自身、 新人の3年目くらいの頃に彼女ほど綺麗には組めなかったなと思う と、 職業訓練の期間がどれだけ技術を向上させるのかと感心します。
フローリストとして働きだして10年。まだまだ学ぶ事ばかりですが、 初心を忘れずに、 当時マイスターフローリストの橋口先生から受けた感動を私も伝え られるようになれたらいいなと思います。
フローリストとして働く私の日常
職場での1日の流れは、朝8時に開店すると接客をしながら花苗の水やりや切り花の手入れ をし、交代で昼休憩を取り、 午後は翌日の注文品を制作して夜の6時半に閉まります。
特に日本と毎日の仕事内容は変わらないように思いますが、 クリスマスの時期など特別な行事があるときは 制作するものが大きく変わります。
例えば、 クリスマスの時期ならクリスマスの4週間前のアドベントという期 間の為にアドベントリースを制作します。日本では母の日や新年、年度末などが繁忙期になりますが、 こちらではバレンタインとアドベントの1週間目あたりが忙しく、 繁忙期の時期には日本とは若干違いがあります。
花の名前は学名で呼ばれて日本と変わらないものもあれば、 ドイツ名で呼ばれているものもあるので、 初めは書いて覚えました。日曜日はバイエルン州の法律によりお店を開けてはいけないのでお休みです。
仕事終わりに体を動かしてリフレッシュ/写真提供:ドイツ猫
仕事が終わると最近はクロスフィットというスポーツをしにジムへ 通っているので、トレーニングを終わらせて帰宅します。
働き始めて2年くらいはスポーツをする余裕などありませんでした が、最近では仕事にもドイツ語にも慣れてきた事もあって、1年前から始めたところ楽しくてハマってしまいました。
おかげで体力もついて、一石二鳥です。
日本でフローリストとして働いた経験はドイツでも生きる
ドイツに出発する前に日本で学んだ生け花/写真提供:ドイツ猫
フローリストという職業だけでは無く、 日本で働いていた経験がある人はドイツでは問題無く馴染んで働く 事が出来ると私は思っています。
そんなに頑張っているつもりでは無く普通に働いていても、 日本人は真面目で丁寧と見られ、それはイメージだけではなくドイツ人の仕事と比較した上でもそうだと言えます。
効率よく働く事に慣れていて、 意見の対立を好まず人当たりの良い日本人は、 ドイツ人との相性も良いように感じますが、 コミュニケーションの上での問題はよく耳にします。
大抵が日本人側がストレスを溜めてしまうケースで、 既に書きましたが、 うやむやに誤魔化さずにしっかりと自分の意見を主張し、 相手のペースに飲まれない事が一番大事です。
自分が正しいと思ったら意見を通す強さ、 それをドイツに降りたった1日目から強く意識する事をお勧めしま す。
もちろん、ドイツ人と言っても性格は様々なので人によりますが、 小学生くらいの子供でもしっかりと自分の考えを述べて話すところ を見ると、小さい頃からそう教育されるのだなと感じます。
そして金銭面やスケジュールの関係で、 すぐに留学する事が難しい方は沢山いると思いますが、
私の場合は準備期間に初級ドイツ語が身につけられたこと、 貯めたお金によりフレキシブルに語学学校を延長できた事、 日本で働いていた中でも技術がつけられた事、 いざアピールする事ができる作品写真を貯められた事、 生け花の資格を取った事 がどれも結果功を奏しました。
理由があってすぐにはトライ出来なくても夢を諦めずに少しずつ力 を蓄えて、いつか実現できる時が来ると信じてその時を待てば、 必ず全ての努力が活きると私は思います。
今ではInstagramなどでお花の写真を公開している花屋さ んがほとんどなので、そういった所からインスピレーションを受けながら、正しく情報収集を行い、 夢を持って留学準備を楽しく進めていけるようミュンヘンから応援 しています!
著者:ドイツ猫/編集:井上誠志
ドイツ猫さま、初めまして。
私はミュンヘンにて明後日よりプロべ期間が始まります。
未経験からの応募でも了承してくれたので、ドアを叩けたことは、ものすごく嬉しく感じました。
後半の自己主張について、来て一年と数ヶ月目の私にはより強く響くものがありました。
ありがとうございます。頑張ります。